「山の辺の道ガイドマスター養成講座」受講者募集
「山の辺の道」は比類なきスピリチュアル・ロード
日本という国柄をさかのぼれば、古代やまとに至る。この〝はじまりの地〟を古人が行き交い、やがて国の成り立ちに関わる道となった。その名を「山の辺の道」という。記紀に残る〝日本最古の道〟。里と里をつなぐ自然あふれる古道沿いには、日本の歴史をタイムトラベルするかのように、ヤマト王権の巨大古墳、最古級の神社、由緒ある古刹が連なる。まさに古代の神秘とロマンに満ちた観光フィールドであり、比類なきスピリチュアル・ロードだ。


「マスター」にふさわしい高度なスキルと豊富な知識を
この歴史街道の唯一無二の価値を、国内はもとより海外からのインバウンドにも魅力的にお伝えするローカルガイドは、〝やまとの伝道師〟ともいえよう。 今年5月に開講する「山の辺の道ガイドマスター養成講座」では、「山の辺の道」研究の第一人者と観光業の第一線で活躍するプロ4人が講師陣を務めます。年間16回の講義を通じて、日本の最古道が秘めるたぐい稀な文化遺産を今に輝かせ、内外の人びとにその価値と魅力を広くお伝えする専門ガイドとして、「マスター」の称号にふさわしい高度なスキルと豊富な知識を身につけることができます。
実施要項
| 受講対象 | 観光業に関心のある人、山の辺の道の知識を深めたい人、観光ガイドを目指す人など |
|---|---|
| 定員 | 20名(最少開講人数10名) |
| 講師陣 | ⚫︎桑原久男氏(天理大学教授・山の辺文化会議副会長・日本西アジア考古学会長:考古学・文化遺産学) ⚫︎森田実氏(天理大学准教授:観光学) ⚫︎松原純氏(プロガイド、奈良観光コンシェルジュ、映像クリエーター) ⚫︎豊田知八氏(保津川下り代表理事、元京都大学東南アジア研究所連携研究員) |
| 受講費 | 7万円(税込:テキスト代含む) ※講義1回につき約4,800円 |
| 開講 | 年16回(月1~4回、春期水曜日/秋期火曜日17時45分~18時45分) ・春期(5月~7月)講義8回+習熟度確認テスト1回 ・秋期(8月~12月)講義8回+習熟度確認テスト1回 同講座の修了者(14回以上の受講実績のある方)を対象に、講師陣による一定水準を超える評価を得た希望者には、「山の辺の道ガイドマスター」の認定証を当社から発行する。 (※認定証発行手数料1万円) |
| 会場 | なら歴史芸術文化村セミナールーム 天理駅南団体待合所(略称:ダンマチ) |
| 主催 | 株式会社キャンパスサポート天理 |
| 協力 | 天理大学 |
| 後援 | 天理市 |
※ なお、天理市民は特別価格として年間5万円(税込※講義1回につき約3,100円)に割引、認定証発行手数料も天理市民は無料。
観光業の第一線で活躍するプロが登壇
創造的・実践的な講義を通じて
豊富な知識と高度なスキルを伝授します
講義概要
◇ 森田 講師
第2回「奈良県と天理市の観光振興」(5/20)
第3回「天理市の観光資源のブラッシュアップ1(ワークショップ)」(6/10)
第4回「天理市の観光資源のブラッシュアップ2(成果発表)」(6/17)
◇ 豊田 講師
~保津川下りに学ぶ「体験コンテンツ」の本質~
第2回「観光エコシステムにおける『誇り』」(7/1)
~サプライヤーが担う地域経済の心臓部としての観光コンテンツと存在と位置づけ~
第3回「天理を〝癒しの聖地〟として発信」(7/8)
~ウェルネスツーリズムの真髄と天理の持つ可能性~
第4回「世界の人が行きたくなる『地方』の創り方」(7/15)
~適材適所の観光マーケット戦略と日本が誇れる観光地・天理の創り方~
◇ 松原 講師
第2回「観光ガイドの心得と魅力の実践」(9/8)
第3回「観光ガイドの知識と話術」(9/15)
第4回「観光ガイドの知識と話術の実践」(9/29)
◇ 桑原 講師
第2回「巡礼道としての山の辺の道」(10/27)
第3回「Time Travel City 天理:文化遺産と観光・まちづくり」(11/17)
第4回「文化財・観光DXの可能性と山の辺の道」(12/8)
・12/15習熟度確認テスト(秋期)
※ 「山の辺の道ガイドマスター」認定証発行(2027年1月12日郵送予定)
講義のポイント
◇ 森田 実 講師
観光業とは、人が旅行をするときに必要となるさまざまなサービスを提供する仕事の集まりです。具体的には、宿泊施設、交通機関、飲食店、観光地、旅行会社などが含まれます。観光業は、訪れる人に楽しい体験や思い出を届けると同時に、地域の経済を支える大切な役割を果たしています。特に地域ガイドの役割は大きいです。近年では、自然や文化を大切にする持続可能な観光や、地域ならではの魅力を生かした観光も注目されています。観光業を理解することは、社会や地域のつながりを知る第一歩となります。
日本では、訪日外国人旅行者の増加や地方観光の活性化を目指すなど、観光振興において一定の成果を上げてきました。交通インフラや宿泊施設の整備、多言語対応の進展により、旅行しやすい環境が整いつつあります。一方で、観光地の混雑や人手不足、地域間の観光格差といった課題も顕在化しています。日本の観光振興の現状成果と課題を取り上げ、今後どうすべきかを、皆さんとともに考えます。
第2回 奈良県と天理市の観光振興
奈良県は、古都としての歴史や文化財、自然環境を生かした観光振興に力を入れており、世界遺産や伝統行事は国内外から多くの観光客を引きつけています。天理市では、古道や社寺、地域文化を活用した観光とともに、スポーツやイベントを通じての交流の促進が進められています。県と市の観光振興をあらためて知ることで、ガイドマスターとしての基礎知識を身に付けていきます。
第3回 天理市の観光資源のブラッシュアップ1(ワークショップ)
「山の辺の道」界隈にこだわらず、周辺観光地域の資源を洗い出し、カテゴリーごと、ターゲットごとに整理していきます。
第4回 天理市の観光資源のブラッシュアップ2(成果発表)
整理された観光資源をどのように分類し、どういった方に受けるものかを、それぞれ発表していただき、他の受講生との違いを見いだし、いろいろな考え方や多様性を学んで、次のクールへ備えていただきます。
◇ 豊田知八 講師
この講座では、京都で「保津川下り」という世界的コンテンツを運営する実務家が、机上の空論ではない「伝統を守り、稼ぎをつくる観光」についてお話しします。天理という唯一無二の文脈を持つ地で「何を、誰に届けるのか?」。未来への展望を描き、「ウェルビーイング」の視点から世界を見据えた「マーケット戦略」を構想し、受講者とともに「これからの日本観光のスタンダード」を考えます。
〜保津川下りに学ぶ「体験型コンテンツ」の本質〜
400年の歴史を持つ伝統産業を、いかにして現代のキラーコンテンツへと昇華させ、世界に発信するコンテンツ価値を創出したのか。現場当事者としての戦略と運営の舞台裏を明らかにします。
保津川下りという「伝統×革新」の実践を通じて、「観光業は単なるサービス業ではなく、地域を創るクリエイティブな仕事だ」と実感できる、講座テーマの導入を目指します。
第2回 観光エコシステムにおける「誇り」
〜サプライヤーが担う地域経済の心臓部としての観光コンテンツと存在と位置づけ〜
行政(観光施策)やDMO(地域主導の観光振興の核)、BtoBおよびBtoCの実務者「現場の主役(サプライヤー)」としての位置づけと役割、そして持続可能な地域観光運営のリアルを語ります。
第3回 天理を〝癒やしの聖地〟として発信
〜ウェルネスツーリズムの真髄と天理の持つ可能性〜
なぜ今、世界は「心と体の再生」を求めているのか? 天理の持つ自然と歴史文化、精神性を活かした、次世代観光の姿と天理ウェルネスツーリズム構想を提言します。
第4回 世界の人が行きたくなる「地方」の創り方
〜適材適所の観光マーケット戦略と日本が誇れる観光地・天理の創り方〜
「良いものをつくれば、お客様が来るのではない」。ターゲット(ペルソナ)を絞り、価値を正しく届けるには? ストーリーテリング・情報を物語に変えてデリバリーすることとは? 観光は地域の誇りを再定義すること。天理が世界から選ばれるための具体的戦略と、観光業が日本の自信を取り戻す未来図を共に考えます。《戦略を練る組織づくり》
◇ 松原純 講師
日本では多くのボランティアガイドが活躍しています。しかし、その質においては課題もありそうです。
良いガイドをすればお客様、そして地域にも感謝される一方、拙いガイドでは、その地域に対する悪印象を与えかねない重要な役割を担っています。
本講義では、お客様に信頼され、楽しんでいただく案内技術を、現役のプロガイドが伝授していきます。
観光ガイドとして、お客様を案内するうえで持つべき⼼得とともに、ガイドという仕事の魅⼒について学びます。
第2回 「観光ガイドの心得と魅力の実践」
第1回の内容を実践で活かせるよう、天理駅周辺を散策しながら、お客様誘導などの実践練習を通して学びます。
第3回 「観光ガイドの知識と話術」
お客様の満⾜度を上げるには、楽しんでいただくための知識や話術が必要です。ガイドとして持っている知識を分かりやすく伝えるノウハウを学びます。
第4回 「観光ガイドの知識と話術の実践」
第3回で学んだ内容を、実践を通して練習し、⼀⽅的な説明に陥らない、簡潔で楽しんでもらえるガイド術を学びます。
◇ 桑原久男 講師
この講座では、日本と海外の両方で遺跡や文化遺産の調査研究に携わってきた考古学者が、山の辺の道の歴史文化を活かした観光の可能性について語ります。
山の辺の道は、奈良盆地の東縁に沿って南北を結ぶ歴史の道です。地形の特徴について学び、点在する古墳や寺社などの文化遺産・歴史的スポットを概観します。
山の辺の道周辺には、自然と歴史文化が溶け合って、独自の景観が形成されています。この景観がどのように保護され、そして今、どう活用されようとしているのか。文化財保護法や古都保存法など、関連する法律についても学んでおきましょう。
第2回 「巡礼道としての山の辺の道」
日本では、多くの外国人が、長野県のサムライロード、和歌山県の熊野古道、四国のお遍路道を歩き、富士山に登っています。また、アニメや映画などの〝聖地″を巡礼しながら旅する人々も多く存在しています。三輪山、長岳寺、大和神社、石上神宮などをつなぐ山の辺の道もまた、巡礼道としての側面を持っていると考えられます。これらの「聖地」をつなぐストーリーを組み立て、西ノ京ロータスロード特別御朱印(4カ寺の協力)、あるいは熊野古道押印帳(熊野本宮観光協会)、御墳印帖(河合町)などを参考に、巡礼の証しとなるものを作ってみてはどうでしょうか。
第3回 「TimeTravelCity天理:文化遺産と観光・まちづくり」
天理市は「TimeTravelCity」「Be a Time Traveler」をキャッチコピーに、さまざまな取り組みを進めています。歴史が積み重なった天理・山の辺の道の活性化を考える参考例として、イングランドの都市ノリッチの歴史まちづくりについて学んでみたいと思います。ノリッチでは、町の歴史を伝える代表的な歴史的建造物を「Norwich12」としてパッケージ化し、散策道の NorwichLaneを整備しています。イギリスの場合、民間主導でこうした取り組みが進められました。
第4回 「文化財・観光DXの可能性と山の辺の道」
デジタル時代の文化遺産と観光について考えます。近年、さまざまな分野でDX(デジタル・トランスフォーメション)が急速に進展しています。不動産や観光の分野が先行していますが、文化遺産の分野でも、田原本町唐古・鍵考古学ミュージアムなど、先進的な「デジタル・ミュージアム」の取り組みが行われています。山の辺の道の周辺でも、天理大学と天理市が連携して、道沿いの古墳などのバーチャルツアーを作成し、リモート・ボーダレスで臨地体験ができるようにする取り組みを進めています。観光分野でも、さらなるDX進展が求められるでしょう。


